御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
しばらく答えを待っていると、ようやく晴輝が口を開く。
「……だめ」
「なにがだめ?」
「はるくんだけじゅんばんまもらないのだめ」
自分の中できちんと答えが出せたことに私は微笑む。
「そうだよね。じゃあはるくんもちゃんと並ばないとね」
「うん」
晴輝が私を見て頷いた。その頭をそっと優しく撫でる。
「よし! じゃあ楽しく遊んでおいで」
私は立ち上がり、晴輝の背中をポンと押す。晴輝は「うん」と大きな声で頷いて、元気よく滑り台の方へと走っていった。
列の一番後ろにきちんと並んでいる。
そこへ充輝を連れた洸星さんがやって来た。
「みっくんもすべりだいする」
そう言って、充輝は晴輝の並んでいる滑り台へと走っていった。
ふたりを見守っていると隣に立つ洸星さんがふと口を開く。
「有紗は母親なんだな」
しみじみとした口調でそんなことを言う彼の横顔を私はきょとんと見つめた。
「えっと……。母親ですけど」
私は充輝と晴輝の母親だ。なぜ改まったように言われたのだろう。
不思議に思っていると、「だよな」と呟き洸星さんがクスッと笑う。
「さっき晴輝を注意しているところを見て有紗は母親なんだなと改めて実感した」
洸星さんは滑り台を見つめながら静かにそう言った。