御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「俺の時計は有紗がいなくなってからずっと止まったままだった。でも、有紗の時計はきちんと進んでいたんだな」
ひとりごとのように呟き、洸星さんがじっと私を見つめる。そして優しく微笑んだ。
「変わったよ、有紗は」
しばらく洸星さんを見つめたのち、私は視線を滑り台へとゆっくり移動させた。
ようやく順番が回ってきたようで、晴輝がにこにこの笑顔で滑り台を滑っていく。そして再び列の最後尾に並んだ。そのあとは充輝が滑り台を滑っていく。
“変わったよ、有紗は”
先ほどの洸星さんの言葉が頭の中をぐるぐると回っている。
洸星さんは恋人だった頃の私を知っていても、母親である今の私を知らない。だから子供を注意する私を初めて見て、率直な気持ちを口にしたのだろう。
“変わった”という彼の感想はきっと良い意味で言ってくれたのだと思う。
その言葉に対してどう言葉を返せばいいのかわからず、私はおどけたように口を開く。
「変わるに決まってますよ。一度にふたりも産んだんですから。体型だって四年前に比べて丸くなったし」
洸星さんの言う“変わった”とは内面のことで外見のことを言っているわけではないとわかっている。
でも、照れ臭い気持ちを隠したくてわざとそう口にした。