御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
こうやって私をからかってくるところはあの頃と変わらない。
やっぱり私は洸星さんが好き。
その気持ちを私はまだ言葉にはしていない。
彼に黙って姿を消し、彼を傷つけた私が、それを伝えるのは身勝手な気がするから。
「まーまー。こーせーさーん」
そのとき晴輝の声が聞こえた。滑り台の近くで充輝と一緒に手を振っている。
「つぎあれやりたい」
別の遊具を指差す晴輝のもとへ行こうとすると、洸星さんの手が私の肩を掴んだ。
「ここは俺が見てるから、有紗はあそこで少し休んでな」
彼の視線の先にはベンチが並んでいる。
「有紗のことだから朝早く起きて弁当を作ってきたんだろ。目の下にクマができてる」
「え、うそ!?」
思わずそこに触れる。けれど、触れただけではわからない。
朝、化粧をしたときには気づかなかったけれど。
「冗談だ」
洸星さんはそう言って、意地悪そうに笑った。
どうやら騙されたらしい。
「洸星さん!」
ジトッとした目で見つめると洸星さんはにこりと微笑んだ。そして滑り台の近くにいる充輝と晴輝のもとへと走っていく。
別の遊具で遊び始めた三人をしばらく見つめたのち、私は移動してベンチに腰を下ろした。