御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 その頃、祖父に東雲家の娘との見合いを執拗に迫られていたがもちろん断った。

 俺の中で有紗への想いは膨らむばかりで、結婚するなら彼女しかいないと思うようになっていた。

 有紗のことを調べて行きつけのバーを見つけ、彼女に会いたくてこっそりと何度も通った。

 話しかけるタイミングがあれば話しかけようと思ったがなかなかその機会はなく、ある日彼女に恋人がいることがわかった。

 けれど俺は有紗のことを諦めることができず、むしろ彼女への好意は強くなっていくばかり。

 そして、あの日ーー。

 いつものように彼女が行きつけのバーへ行ったところ外国人に絡まれているところに出くわした。

 考えるよりも先に体が動き、有紗の元へ向かうと外国人を追い払った。

 それから無理やり一緒に飲む形にし、彼女が恋人と別れたことを知る。

 奪うなら今しかない。強引に迫った気もするが、その夜、俺と有紗は結ばれ、念願叶って彼女は俺の恋人になった。

 そんな風にしてやっと手に入れた彼女がまさか忽然と姿を消すとは思いもしなかったが……。


「社長。少しお時間よろしいですか」


 MISUMI電気での会議を終え、MISUMIホールディングスへと戻った俺は社長室で部下たちから上がってきた報告書に目を通していた。

 扉がノックされ、姿を見せた秘書が困ったような表情を浮かべている。


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