御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 *

 二時間ほどで話し合いが終わると、秘書が東雲社長をエントランスまで見送る。

 ようやく東雲社長から解放された俺は社長室の窓から夕焼けに染まる空を眺めていた。

 しばらくして扉がノックされ秘書が戻ってくる。


「社長。お疲れさまでした」


 その声に俺は後ろを振り返る。


「経営統合の件はどうなりましたか」


 秘書に問われ、思わずため息が出た。


「同意はできないと東雲社長に改めて伝えた。巨額の債務を抱える東雲電気との経営統合にはメリットがひとつもないからな」


 東雲社長としてはお互いの会社の会長同士が友人という理由で、情に訴えかけて経営統合に同意してもらおうと思ったのだろう。

 けれど俺はプライベートと仕事ははっきりと切り離している。情だけでうちの会社に何のメリットもない経営統合に頷くほど俺は良い人ではない。


「東雲社長は納得されましたか?」


 秘書に尋ねられ、俺は首を横に振った。


「今日もしつこく粘ってきたが、妥協案を提示したら引き下がった」

「妥協案ですか?」

「ああ」

 振り返り、再び窓の外に視線を向けた。  


「うちの子会社になるなら考えてもいいと伝えた。けれどそれは嫌だそうだ」


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