エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 ――私達が復縁するとなれば、中野家でこのままずっと暮らすわけにはいかない。

 店長さんや誠くんと一緒に暮らす生活が当たり前だったからこそ、私にはよく似て人見知りで引っ込み思案な司は適応できないのだろう。

「涼花ちゃん。おばさんと一緒に、ご飯を食べましょう」
「やー! ケーキのおじさんと、もっといるー!」
「純司は澄花ちゃんと、大事なお話があるのよ」
「お話が終わったら、ケーキのおじさんと遊べる?」
「ええ。だから、今は我慢しようね」
「うん……」

 涼花は渋々大門寺さんから手を離すと、騒ぐのを止めた。
 あとは泣いている司が落ち着くのを待つだけだ。

「澄花さん。今のうちに、純司兄ちゃんと上で話してこいよ」
「誠くん……。いつも迷惑をかけて、ごめんね」
「気にしなくていいって、いつも言ってるだろ?」

 私は息子の目元から涙が消えるまでそばにいるつもりだったが、誠くんが子ども達の面倒を見ると申し出てくれた。

「行こう」

 ――双子を中野家のお2人に任せて、本当にいいのかな……。

 迷っていると、大門寺さんが私の手首を掴んで2階へと引っ張っていく。
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