エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 階段を上がってから立ち止まったので、目線で自分の部屋をじっと見つめる。
 彼はそれだけでこちらが何を言いたいのか理解したようで、一番奥の部屋を開けて中へ入った。

「すみません。あの子達が……」

 扉を閉めてタイミングを見計らい、大門寺さんに謝罪をする。
 彼は気にしていないと言うように首を振り、ポツリと呟く。

「こちらこそ、配慮が足りなかった。誠と2人でいる時に、話をすればよかったんだが……」

 大門寺さんはどこか遠い目しながら、ぽつりと呟く。

「あの子達は、ずいぶんと誠に懐いているようだ」
「生まれた時から、ずっと一緒なので……」
「焼けてしまうな。僕は父親なのに、双子のそばには居られなかった」
「大門寺さん……」

 大門寺さんが今に至るまで子ども達と触れ合えなかったのは、私のせいだ。
 申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、言葉を詰まらせる。
 すると、彼は苦しい胸の内を吐露し始めた。

「君が何も言わずに忽然と姿を消した時、とても驚いた。まったく思い当たる節がなかったからな」

 彼がそう口にするのも、無理はなかった。
 三千院さんの話では、すでに彼女との許婚関係は解消していたのだから。
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