エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「オレがせっかく、司と距離を置いてやってんのに……。巻き込むとか。これじゃ、意味ねぇだろ」
「仕方ないだろう。僕達が会話をするためには、緩衝材が必要だ」
「へいへい。わかったよ。仕方ねぇから、今回は許してやる。でも……。もうそろそろ、付き合ってやれねぇからな」
「ありがとう」

 大門寺さんは優しく口元を綻ばせると、視線をこちらに向ける。
 彼は私をじっと見つめたあと、ある疑問を口にした。

「澄花は今日、早番だったな」
「そうだけど……」
「僕も一緒に、子ども達を保育園に連れて行ってもいいだろうか」
「パパ、保育園までくる?」
「涼花と司が、許してくれるのならな」
「いいよ!」

 双子の送迎に同行したいと口にした彼の言葉に、涼花は大喜び。
 2つ返事で了承すると、わくわくとした感情を隠し切れない様子で叫ぶ。

「パパのこと、みんなに自慢するの! そしたらつかさも、嬉しくなるはずだもん!」

 娘は登園準備を済ませると、「早く行こう」と急かすように大門寺さんの手に纏わりつく。
 やや遅れて身支度を整えた司は、置いていかれないように気をつけながら涼花と手を繋いだ。
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