エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「嘘をつかれるほうが、パパとママはよっぽど悲しいよ」
「……ぼく、嘘はつかない」
「うん。司が心の底から大門寺さんのことを、パパだって認められる日が来るまで。ずっと、待っているから……」

 司なりに、両親を悲しませるのはいけないことだという気持ちは持っているのだろう。
 彼の言葉をしっかりと受け止めた私は、息子と手を繋ぐ指先に力を込めて、テンション高く大門寺さんと話を続ける娘に視線を移す。

「りょうか、パパとこうやって登園できて、とっても嬉しい!」
「ああ。僕も、そう思う」
「えへへー」

 早起きが苦手でグズっていることのほうが多い涼花は、大門寺さんと再会してからはずっと元気いっぱいだ。

 ――いい子であろうと、無理をしていなければいいけど……。

 私は不安でいっぱいになりながらも、どうにか大きなトラブルに見舞われることなく家族みんなで保育園にやってきた。

「せんせー! おはよーございます!」
「あら。涼花ちゃん。今日も元気いっぱいね?」
「パパが一緒だから!」
「パパ……?」

 保育士の訝しげな視線が、大門寺さんに向けられる。
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