エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 そんな私を勇気づけるかのように、彼は言葉では言い表し足りない分を唇を触れ合せることで補った。

 ――子ども達のいないところでキスをするなんて、なんだか背徳的で……。
 いつも以上に、ドキドキとしてしまう。
 どうやらその想いが顔に出ていたようで、こちらをじっと見つめていた彼から指摘を受ける。

「物欲しそうな顔を、しないでくれ。離れられなく、なってしまう……」

 ――このまま永遠に時が止まってしまえばいいのに。

 そう願ったところで、時間は刻一刻と過ぎていく。
 私も大門寺さんも、そろそろ出社しなければならない。

「夜になったら、また会えます……」
「そう、だな」
「気をつけて……」
「澄花も」

 私達は互いを思い遣ったあと、会社へ向かった。
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