エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「でもね。つかさは、まことくんがパパじゃなきゃ嫌っていうの。なんで……?」
「それは、司に直接聞いてみねぇとわかんねぇな」

 娘から質問された誠くんは、己の膝の上に居る息子へ視線を移す。
 司は責められていると感じたのか、暗い表情でポツリと呟いた。

「ぼくのパパはこれからも、まことくんだもん……」
「パパになれなくて、ごめんな」

 誠くんが申し訳なさそうに謝罪をすれば、司は子どもらしい疑問をぶつける。

「どうして、まことくんがパパじゃいけないの?」
「つかさはそんなことも知らないの? パパが、本当のパパだからに決まっているでしょ!?」

 真実を口にする涼花には、まったく悪気はない。
 しかし、誠くんが父親ならよかったのにと願う司にとっては意地悪をされているようにしか聞こえなかったのだろう。
 息子の瞳からは、ぽたりぽたりと涙が零れ落ちる。
 その姿を見かねた大門寺さんが、己の膝の上に居る娘へ苦言を呈した。

「涼花……。そんなに、大声を出すな。司が怖がるだろう」
「だって! つかさが!」
「ぼく、悪くないもん……!」

 双子は声を揃えて、お互いのせいにしようとする。
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