エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 普段であれば「どちらも悪いよね」と仲直りの方向へ持って行くが、今日はいつも通りにはならなかった。

「ああ。司の言う通りだ」
「パパ!?」

 大門寺さんが、息子の味方をしたからだ。
 娘は当然、どうしてそんなふうに自分を責めるのかとショックを受けた様子を見せる。
 そんな涼花にも伝わるように、彼は申し訳なさそうにぽつりと呟く。

「僕が一番悪い。澄花のそばに居たいと願うあまり、強引に距離を縮めてしまった」
「違うよ! パパのせいじゃない!」
「いいんだ。司にとって僕は、頼りがいのある父親ではなく――。大好きな人と引き裂こうとする、悪役だからな」

 己を責める父親の姿を目にしたからか。
 娘は納得ができないまま、兄に「早く誠くんよりもパパが好きだと言って」と言うように声を荒らげた。

「つかさ!」
「だって……! おじさんがきてから、りょうかもママも、パパに夢中なんだもん……!」

 逃げ場のなくなった司は、初めて大門寺さんを受け入れがたい理由を泣きながら口にした。

「りょうかとママが、取られちゃう……!」

 息子はついに、わんわんと声を上げて泣きじゃくり始めた。
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