エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「兄さんがうちにくるなんて、珍しいこともあるのね~」

 店長さんはリビングのソファーに座ってふんぞり返っている男性を前に、ニコニコと微笑んだ。
 いつの間にか純司さんのぬくもりに包まれて深い眠りに誘われた双子を床に横たえ、身体が冷えないようにブランケットをかけてやる。

「いつの間にか、涼花もすっかり夢の中だな」
「表面上は元気いっぱいでしたけど……。きっと、気を張っていたんだと思います」
「双子が無事で、本当によかった……」

 純司さんは気持ちよさそうに眠る子ども達を優しい瞳で見つめたあと、剣呑な表情でソファーに座る父親の後ろ姿を見つめた。

 ――乱闘騒ぎになって、子ども達を目覚めさせる羽目にならなければいいんだけど……。

 そんな不安に駆られつつも、口に出すことはせず――夫婦揃って対面の席に腰を下ろすと、大人同士の話し合いを始めた。
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