エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 私は今まで誰にも頼れず、ずっと1人で生きてきた。
 人肌恋しい時はぬいぐるみを抱きしめて眠り、忘れようと必死になる。
 そんな自分にとって、こうして相思相愛の恋人同志のように勘違いしてしまう状況は刺激が強すぎたようだ。

「どうした?」
「べ……っ」
「職業で、呼ばないでくれ。僕達は、恋人同志なのだから」

 彼に甘い声でそんなふうに囁かれたら、勘違いしてしまいそうになる。
 私は気恥ずかしさでいっぱいのまま頬を赤らめ、弁護士さんの名字を口にした。

「だ、大門寺、さん……」
「そんなに緊張するな。このままここで、君の唇を奪ってしまいそうになる」
「ひゃ……っ!?」

 彼の唇から紡がれる言葉すべてが、甘美な毒のように身体中に巡っていく。
 頬が赤らみ、瞳が潤む。
 私はどんな反応をしていいのかわからず、ずっと目を白黒とさせていることしかできなかった。
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