エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「どうして私だけが、こんな思いをしなければならないんですか……!? 自分のキャリアがそんなに大事なら、弟さんがこれからも悪さをしないように、しっかりと監視してください!」
「なんだと……!?」

 一触触発な雰囲気になったところで、「もう充分だ」と言わんばかりに弁護士さんが私の指先に己の大きな手を重ね合わせた。
 そこから伝わる熱が全身に行き渡り、ようやく冷静さを取り戻す。

 ――また大門寺さんに、迷惑をかけちゃった……。

 私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、唇を噛み締めて口を閉ざす。

「詳しい話は、事務所で聞く。よろしいですね」
「構わん」

 園山さんに許可を取った園山さんは警察への通報を諦め、事務所の談話室を目指した。
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