エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 でも――。

 それじゃ、彼を好きだと伝わらない。
 静止したら後悔する。
 それがわかっていたからこそ、私は必死に拒絶だけはしないように気をつける。

「澄花……」
「は……っ。大門寺、さ……!」

 彼に名前を呼ばれるたびに、私の身体は面白いくらいに反応を示す。
 まるで自分が、楽器にでもなったみたい。
 そんな錯覚に陥りながら、時折漏れ出るあられもない嬌声を押し殺す。

「もっと、聞かせて」
「で、も……っ。恥ずかしい、です……っ!」
「顔を真っ赤にする姿も、愛らしくて仕方がない……」

 唇を噛みしめるたびに、そんなことをする必要はないのだと口づけがなされた。
 その度にふわふわとして、だんだん自分が立っているのか座っているのかすらもわからなくなる。

 玄関先で肌を重ね合わせたような気がしたし、途中から寝台へ移動した気もする。

「ああ……。澄花……。とても、綺麗だ……」

 わけもわからぬまま己の身体に楔を穿たれ、一つになった喜びに全身が震える。

「大門寺、さ……っ。好き……!」

 チカチカと白む視界の中で彼の名前を何度も呼び、愛の告白をし続けた――。
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