エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 彼を心の底から信じて疑わなければ、子ども達から父親を奪わずに済んだ。
 なのに……。
 私は知らない女性と2人きりで仲よさげに話す大門寺さんの姿を目にして、不安になってしまった。
 そのせいで、6年もの時間を無駄にするなど思わずに――。

「いつまで許嫁を、放置しているつもりなのかなぁ? あたしもそろそろ、我慢の限界なんだけど?」

 明るくて、元気で。
 ひまわりのような笑顔を浮かべる垢抜けたお姉さんが、大門寺さんの首筋に両手を絡めて顔を近づけている。

「あら。純司だわ。(あおい)ちゃんと、一緒みたい」
「い、許婚って……」
「純司の父親は、警備会社の社長をしているのよ。葵ちゃんは、同業他社のご令嬢で……。簡単な話が、政略結婚ね」

 彼女が呆れたように口にした内容は、初めて聞くことばかりだった。

 ――私は大門寺さんから、そんな話は一度も聞いていない。
 どうしてそんな大事なことを、教えてくれなかったの……?

 不信感でいっぱいになりながら、唇を噛み締めて泣くのをぐっと堪える。
 私は震える声で、店長さんに問いかけた。
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