エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「大門寺さんと会話をして、この子が生まれてきたことを後悔するようになるのだけは、避けたいんです」
「でも……。あなたは、身寄りがないのでしょう? 子どもを1人で産み育てるのは、とても大変よ」
「なんとか、します」
「今だってこんなにもショックを受けて、真っ青な表情をしているのに……。このまま別れて、何かあったら……」

 彼女に対しても酷いことを言っているのに、こちらを心配する素振りを見せてくれる。
 私にとっては、それだけで充分だった。

 ――最後にお礼を伝えて、車を下りよう。

 そう覚悟を決めると、深々と頭を下げてシートベルトを外した。
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