エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「大門寺先生。五月雨様がいらっしゃいました」
「ありがとう」

 僕を呼びに来てくれた受付の女性に礼を言い、談話室の扉を開く。
 するとそこには、夢にまで見た最愛の人と――4年前よりも随分と成長した双子が、タブレットを覗き込んでいるのに気づく。

「こら。喧嘩しないの!」
「だって、つかさが……!」
「りょうかが、悪い んだよ……!」

 どうやら子ども達は、次にどんな動画を視聴するかで揉めているようだ。
 幼子達の口から聞き覚えのある名が紡がれ、僕の疑問は確信に変わった。

 ――灯台下暗しとは、よく言ったものだ。

 澄花はずっと、叔母の庇護下にいたのだろう。
 嘘をつかれていた件は不愉快でしかないが、こうして再び巡り会えただけでよしとするしかない。

 ――必ず、彼女と復縁してみせる。

 僕だと気づいて及び腰になっている澄花とどうにか会話を続けたあと、子ども達に視線を移す。
< 78 / 162 >

この作品をシェア

pagetop