エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 僕は足元に纏わりついて離れない少女を抱き上げ、事務所の中へ戻った。

「大門寺さん? 外回りに出かけるんじゃ……」
「偶然、知り合いに会ってな。しばらく談話室に籠もらせてもらう」
「かしこまりました」

 驚く受付の女性に話を通し、4人一緒に談話室へ入る。

「おいしいケーキ……!」

 冷蔵庫から彼女が欲しがっていた甘味を取り出してお皿に乗せてやれば、キラキラと瞳を輝かせてそれを凝視する。
 その姿は母親そっくりで、横顔を見ているだけでも幸せな気持ちになった。

「よく味わって、召し上がれ」
「いただきまーす!」

 2人がけのソファーには僕と涼花。
 誠と司の組み合わせで座る。
 双子はフォークを手に持ち、おいしいスイーツに舌鼓を打った。

 ――大人だけで落ち着いて話をするなら、子ども達が食べるのに夢中な間しかない。

 僕はさっそく、本題に入ることにした。

「この子達が生まれてからずっと、母さんが面倒を見ているんだよ」
「なんだと?」

 僕は誠の口から衝撃的な事実に面食らい、思わず聞き返してしまった。
 彼はこちらの反応に苛立って仕方がないようで、「これ以上の説明を求められては困る」と言わんばかりに肩を竦めた。
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