すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
「私には、光太がいるから」
誰の子かわからない幼子を、受け入れられるはずがない。
こんなふうに、光太を利用して柴崎さんを騙すのは心が苦しい。
でも、父と共に横領の疑惑がかけられている私が彼の隣に立っていいはずがない。だから今は後ろめたさを振りきってでも、彼を拒絶する。
「光太君が誰の子であろうとかまわない。あの子を愛する悠里を見て、俺はもう一度君に恋をしたんだ」
「そんな……」
その想いに素直に応えれたらいいのにと、この期に及んで望みそうになる。
「親類の協力があるとはいえ、慣れないイタリアの地で子育ても仕事もこなすのは、並大抵なことではない。そういう君の強さに、俺はあのときよりも惹かれている」
そこまで言われて、うれしくないはずがない。
自分も同じ気持ちだと打ち明けたくなるが、それはいずれ彼を困らせるだけだと踏みとどまる。
ひたすら首を振り続けて、彼を拒む。
「泣き顔で拒否されても、説得力はないよ」
思わず顔を背ける。
お願いだから、私の心をかき乱さないでほしい。
「……私は、柴崎さんにふさわしくない。いつかきっと、あなたの足を引っぱってしまう」
そう言った私を、柴崎さんは正面から見つめてくる。
「悠里のその否定は……君と雄大さんに、横領の疑惑をかけられているからか?」
目を見張って、ひゅっと息をのむ。
私のその反応を見て、彼は瞼を閉じた。
「どうして、それを……?」
彼には知られたくなかった。疑われたくなんてない。
テーブルの下できつく手を握り、顔をうつむける。
「君がどうして姿を消したのか」
柴崎さんの声に、ビクッと肩が揺れる。なにを言われるのか怖くて、耳をふさいでしまいたくなる。
誰の子かわからない幼子を、受け入れられるはずがない。
こんなふうに、光太を利用して柴崎さんを騙すのは心が苦しい。
でも、父と共に横領の疑惑がかけられている私が彼の隣に立っていいはずがない。だから今は後ろめたさを振りきってでも、彼を拒絶する。
「光太君が誰の子であろうとかまわない。あの子を愛する悠里を見て、俺はもう一度君に恋をしたんだ」
「そんな……」
その想いに素直に応えれたらいいのにと、この期に及んで望みそうになる。
「親類の協力があるとはいえ、慣れないイタリアの地で子育ても仕事もこなすのは、並大抵なことではない。そういう君の強さに、俺はあのときよりも惹かれている」
そこまで言われて、うれしくないはずがない。
自分も同じ気持ちだと打ち明けたくなるが、それはいずれ彼を困らせるだけだと踏みとどまる。
ひたすら首を振り続けて、彼を拒む。
「泣き顔で拒否されても、説得力はないよ」
思わず顔を背ける。
お願いだから、私の心をかき乱さないでほしい。
「……私は、柴崎さんにふさわしくない。いつかきっと、あなたの足を引っぱってしまう」
そう言った私を、柴崎さんは正面から見つめてくる。
「悠里のその否定は……君と雄大さんに、横領の疑惑をかけられているからか?」
目を見張って、ひゅっと息をのむ。
私のその反応を見て、彼は瞼を閉じた。
「どうして、それを……?」
彼には知られたくなかった。疑われたくなんてない。
テーブルの下できつく手を握り、顔をうつむける。
「君がどうして姿を消したのか」
柴崎さんの声に、ビクッと肩が揺れる。なにを言われるのか怖くて、耳をふさいでしまいたくなる。