すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
「とにかく、柴崎さんとのことはその後ゆっくり考えたらいいわ。誤解も解けたんだし、あとは悠里ちゃんの気持ちひとつじゃないかしら?」

「でも、叔母さんやセルジオにはこんなによくしてもらったのに」

 日本から逃げてここへ来たのも、いったん帰国するのも私の都合ばかり。ふたりを振り回していることが申し訳ない。

「なにを言ってるのよ、当然じゃない。だってあなたは私のかわいい姪で、ううん。娘も同然。光太君は孫よ。もちろん、セルジオもそう思っているわ」

 これまで、何度もそう言ってくれた。
 その言葉に嘘はなく、本心だともちろんわかっている。

「よく考えて。どんな結論を出しても、私とセルジオは応援しているから」

「うん。ありがとう」

「それから、ほら。今日も届いていたわよ」

 そう言って手渡されたのは、柴崎さんからのプレゼントだ。

「マメな人ね。長く連絡も取れなかった相手を想い続けて。なかなかできることじゃないわ」

「うん。私、柴崎さんともっと話したい」

 光太のことも、知ってもらいたいと思う。

「いいじゃない。ほら、悠里ちゃん。一緒に帰国するつもりなら、とりあえず必要な荷物をまとめておかないと」

「ありがとう」


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