すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
 叔母たちが羽田空港に到着した連絡を受けて、光太と出かける準備をする。ふたりが滞在するホテルに光太を連れていき、私はそのまま拓真さんと待ち合わせているレストランに向かう。

 あらかじめ拓真さんに言われていた通り、タクシーに乗り込む。贅沢だけれど、なにかと光太の荷物が増えてしまった上に外はまだまだ暑いからからありがたい。

 教えられていた部屋に到着して、ベルを鳴らす。先に出てきたのはセルジオだ。
 久しぶりに顔を合わせる彼に、光太は「ノンン!」とうれしそうな声を上げた。セルジオは光太を抱き上げ、お互いに頬へキスを贈り合う。血のつながりはないというのに、まるで本当の祖父にあったかのような雰囲気だ。

 室内に通されて、ソファーに座る。光太はそのまま、セルジオが膝の上に抱いている。

「それにしても、悠里ちゃんが幸せそうな顔をしているから安心したわ」

「拓真はちゃんと愛を伝えているみたいだね」

 セルジオのストレートな言葉に恥ずかしくなる。

「悠里ちゃんたちにかけられていた疑いも晴れたことだし、無事に結婚もしてもう心配はないわね」

「でも……イタリアでの生活も、中途半端なままだし。一度、向こうに戻ろうかって考えていて」

「その必要はないわよ。ね、セルジオ」

 叔母がそう言うと、セルジオも当然だとうなずく。

「拓真は忙しい男だ。いつもそばにて、支えて上げなさい」

「そうよ。使っていた部屋の片づけなんかは、こちらでやっておくわ。荷物もまとめて送ってあげるから」

 手間をかけさせて申し訳ない。
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