すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
「仕事の方は……」

「それも心配いらないわ。セルジオがね、そろそろ第一線を退こうかと考えていたところなの。もちろん、まだ相談役のような形でかかわっていくつもりだけど。それでもだいぶ自由が利くようになるから、私のサポートをしたいって」

 叔母が隣の彼を振り向くと、セルジオは当然のように口づけた。

『いつでも君と一緒にいられるなんて、夢のようだよ』

 熱烈な雰囲気に、こちらが気まずくなる。
 彼の腕の中の光太は、かまわず玩具で遊んでいる。

「だからね、悠里ちゃんは気にしなくていいの。姉さんとお義兄さんも、あなたの幸せを望んでいるわ」

 両親のことを言われると、もう反論できない。

「ふたりとも、本当にありがとう」

 重い話はここまでと、叔母がパンと手を叩く。

「明日はね、光太君でも楽しめそうな小さい子向けの遊園地に行こうと思って」

 私が気になっているだろうからと、叔母が明日の計画を教えてくれる。

「光太もきっと喜ぶと思う。叔母さん、セルジオ。光太をよろしくお願いします」

 あらためて頭を下げた私に、ふたりは「まかせて」とうなずいた。


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