すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
 しばらくしてようやく私を解放すると、彼はお互いの額をくっつけた。

「悠里がほしい」

 ストレートな言葉に、一気に体が熱くなる。頬は真っ赤に染まっているに違いない。

 でも、いくら恥ずかしくても彼から目を逸らさなかった。

 小さくうなずき返して、彼の胸もとに顔を埋める。次の瞬間ふわりと体が浮き、彼の脚の上に抱き上げられていた。
 私を横抱きにして、普段は彼が使っている寝室へ向かう。

 室内に入り、ベッドにそっと降ろされた。
 隣に座った彼の熱い視線が、真っすぐに私を射抜く。
 再び口づけが始まり、目を閉じる。彼の腕にしがみつきながら必死に応えた。

 快感に思考が揺らぐ中、彼の手が私の服にかけられる。背後のファスナーをおろすと、柔らかな生地のワンピースは肩からパサリと落ちた。

「好きだよ、悠里」

 恥ずかしいけれど、彼が私を求めてくれる事実がうれしい。
 優しく押し倒されて、覆いかぶさる彼を見つめる。視線が絡むと、拓真さんは目を細めた。

「愛してる」

 初めて肌を重ねたあの日。優しい気遣いとは裏腹に、言葉で愛を伝えられることはなかった。後になって彼も私を想ってくれていたと知ったが、当時はそれにずいぶんと悩まされていた。

 拓真さんは、あのときの自身の振る舞いを心底後悔している。
 だからこうして、今夜は何度も好意を伝えてくれるのだろう。

「私も、拓真さんを愛してる」

 視線を逸らさないまま伝えると、拓真さんは小さく目を見開き、それから穏やかな笑みを浮かべて口づけの雨を降らしていった。

 あの頃、相手になにも伝えなかったのは私も同じだ。言葉足らずですれ違うなんて、同じあやまちはもう繰り返さない。

「大好き、拓真さん」

 私の首もとに顔を埋めた彼の頭を、もう二度と離れないと伝えるようにぎゅっと抱きしめた。
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