すべてを失ったはずが、一途なパイロットに秘密のベビーごと底なしの愛で囲い込まれました
 叔母のために、さらになにができるか。

 彼女はフリーの家具デザイナーとして活躍している。素人の私では専門的な手伝いはできないけれど、取引先とのやりとりなど手伝えることはあるはず。

 例えば仕上がった家具を卸した先に使用感を聞きに行くとか、スケジュールの調整をするなど。
 もともと私は、そこをサポートするために雇われた。けれど言葉の問題と出産、育児にかかりきりだったのもあり、手伝えないまま今に至る。

「それは私も助かるけど……」

 そう言いながら、叔母は光太を見た。

「ふたりに頼ってばかりだから、もっと役に立ちたいなって思っているの」

 おんぶに抱っこのままではいられない。イタリアに渡って以来、そんなふうにずっと焦っている。
 暮らしは大変だけれど、一歩ずつ自立していくことで自信につながっている。

「わかったわ。悠里ちゃんの負担が大きくならない範囲でお願いするから」

 叔母に話をつけ、その日の帰りに以前から目をつけていたこの近くの保育園を見学させてもらった。



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