年下課長の溺愛が私をほどいていく ~ジーンズの私を彼は一番欲しがった~
戸惑っていると、藤堂課長はカフェ・ラテのボタンを押した。

珈琲とミルクが、一つのカップに混ざって行く。

藤堂課長は蓋を開けると、自販機の中からカフェ・ラテを取り出した。

「はい、熱いですよ。」

カップを受け取ると、手だけじゃなく胸まで熱くなった。

「どうして?」

「女性は大体、カフェ・ラテが好きですよ。」

女性というキーワードに、一瞬胸がキュンとした。

この歳になって、女だと見られる事は少ない。

「ありがとう。」

素直にお礼を言うのも、大人の女性のたしなみだ。

カフェ・ラテを一口飲むと、心まで温かくなった。

「午後から、木村課長につかせて頂きます。」

私は藤堂課長を見つめた。

「早く仕事を覚えますから、なるべくポイントを絞って教えて下さい。」

「え、ええ……」

そう言うと彼は、頭を下げて自販機から去って行った。

後には、柔らかい雰囲気だけが、残されていた。
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