祝福のあとで
第14章 静かに積もるもの
気づけば、
夜の空気が、はっきり冷たくなっていた。
そういえば、
あの夜のあと、
もう一度だけ一緒に食事をした。
仕事が少し早く終わった、
風の強い日だった。
「近くに、軽く食べられるところがあります」
直がそう言って案内したのは、
人通りの少ない通りにある、小さな店だった。
カウンターと、テーブルが二つだけ。
落ち着いた照明と、
静かすぎない空気。
料理を待つ間、
二人とも、スマートフォンを見なかった。
仕事の話を少し。
最近忙しい時期のこと。
それから、たいした意味のない話。
気づけば、
ひかりは緊張していなかった。
言葉を選ばなくてもいい。
沈黙があっても、埋めなくていい。
それが、当たり前になっていることに、
あとから気づく。
「このあと、どうします?」
直が聞いた。
時間は、まだ早かった。
「……もう一軒、行きますか」
直は、少しだけ考えてから頷いた。
「前に行ったところ、覚えてますか」
「はい」
その一言で、
胸の奥が、ほんの少しだけ動いた。
夜の空気が、はっきり冷たくなっていた。
そういえば、
あの夜のあと、
もう一度だけ一緒に食事をした。
仕事が少し早く終わった、
風の強い日だった。
「近くに、軽く食べられるところがあります」
直がそう言って案内したのは、
人通りの少ない通りにある、小さな店だった。
カウンターと、テーブルが二つだけ。
落ち着いた照明と、
静かすぎない空気。
料理を待つ間、
二人とも、スマートフォンを見なかった。
仕事の話を少し。
最近忙しい時期のこと。
それから、たいした意味のない話。
気づけば、
ひかりは緊張していなかった。
言葉を選ばなくてもいい。
沈黙があっても、埋めなくていい。
それが、当たり前になっていることに、
あとから気づく。
「このあと、どうします?」
直が聞いた。
時間は、まだ早かった。
「……もう一軒、行きますか」
直は、少しだけ考えてから頷いた。
「前に行ったところ、覚えてますか」
「はい」
その一言で、
胸の奥が、ほんの少しだけ動いた。