執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む
 しばらくそこで身を潜めていたが、いっこうに蓮斗くんの足音が聞こえてこない。
 体感で言うと、あれから三~四分は経ったような気がする。
 もしかしたら、女性とは違うルートで医局に戻ったのかもしれない。
 私もずっとこの場所にいるわけにもいかないし、なにより一刻も早く鈴ちゃんにシュシュを届けにいきたい。
 しゃがみ込んだままおずおずと部屋の外の様子を窺ってみると、突然目の前に影が落ちた。
「こんなところでなにをしているんだ?」
 反射的に見上げるとドアの前に蓮斗くんが立っていて。
「う、うわっ!」
 間抜けな声を出してしまった。
「瑠璃? どうしてここに……」
 そこにいたのが私だとは思っていなかったみたいだ。蓮斗くんが一瞬、目を見開いてからそっと手を差し伸べてきたので、遠慮気味に指先を伸ばす。
「えっと、小児病棟に行こうとしていたら迷ってしまって」
 嘘は言っていないからセーフだろう。
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