執愛滾る脳外科医はママと娘を不滅の愛で囲い込む
 そういえば最後に彼氏がいたのは、社会人一年目の時だっただろうか。
 仕事が多忙ですれ違うことが多くなり、別れることになったんだっけ。
 結局、そこからがむしゃらに仕事を頑張って。
 恋愛の始め方なんて、とうに忘れてしまった。
 ああ、ダメだ。
 一度考え出すと底なし沼にはまっていく。
 とにかく今は気持ちを切り替えて、結婚する友人を心から祝福したい。
 会場に着くと、すぐにロビーにあるフロアマップを見つめた。
 方向音痴の私にはすごく重要な作業であり、頭にしっかりと叩き込まなければと自然と意気込む。
 会場はみなとみらいにあるホテルで、式が行われるのは上階にあるチャペル。
 きっとそこからは、絶景が見渡せるだろう。
 ナイトウエディングに参列するのは初めてなので、ちょっとワクワクする。
 無事に会場の待合室に辿り着き、大学時代の友人たちと和気あいあいと話していたら、受付の方がざわざわとしだした。
 いったいどうしたというのだろう。
 そちらを見やると、手足が長くモデルのようなスタイルの男性の後ろ姿が目に飛び込んできた。
 後ろ姿だけでもオーラがある。
 まるで芸能人みたいだ。
 周りの女性たちがざわざわとしだしたのは、きっとみんな彼が気になっているからだと思う。
 どんなお顔なんだろう。
 かくいう私もそのひとり。
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