玉座取りゲームを開始しよう
手紙をレイの手に握らせた後、エレンは振り返ることなく裏庭を立ち去る。排除しなくてはならない人間はあと1人いる。時間は限られている。

「お父様。失礼します」

エレンはノックをすることなく、国王の寝室に入る。ベッドの上ではなく、机に向かって執務をこなしていた国王は、エレンの姿を見て動揺したようだった。

「エレン!ノックもせずに入るなどーーー」

「こちらの書類にサインをいただきたいのです」

エレンが見せた書類には、彼女が王になることを諦めて他国へ嫁ぐと約束すると書かれている。その書類を見て、国王は満足そうに笑った。

「おお……!ついに、お前も自分の役割に気付いたのだな」

国王は嬉々として書類にサインをした。それを見て、エレンはニヤリと笑う。サインはもらった。あとは邪魔者を消すまでである。

「お父様、乾杯を致しましょう」

スパークリングワインをエレンは開け、グラスに注いでいく。片方のグラスを国王に渡した。
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