バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 ――そこは怪我をした傷口だ。
 刺激するのは止めてほしい。

 そうはっきりと言わなければ理解できぬなど、どうかしている。
 私は彼の言い分を聞いて会話を終わらせるべく、低い声で諭す。

「あなたが私よりも、リナリアに惹かれているのは明らかですわ」
「なんだと!?」
「見返りを求めぬ無償の愛をいだき続けるほど、私はあなたが好きではありませんの」
「妹を、身代わりにするつもりか!」
「殿下だって、そのほうが嬉しいですわよね?」

 図星をつかれたのが腹立たしかったのか。
 ジェラルドは憤慨した様子で、異を唱えた。

「オレは、あんただから求婚したんだ!」
「でしたら、私に勘違いされるような行動は謹んでくださる?」
「何を……」
「リナリアに腕を取られて、まんざらでもなさそうな表情をしていましたわよね? 今さら弁解されたって、なんの説得力もなくってよ」

 ああ言えばこう言うこちらの反応を目にして、殿下は目を見開く。
 どうやら、私が婚約破棄に積極的な姿がどうしても受け入れられないようだ。
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