バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「たったその程度で、嫉妬するのか?」
「目に余ると言っていますの。あの状況を黙認してまで、私は王太子妃になんかなりたくないですわ」
「オレに、どうしろと言うんだ……!」

 ジェラルドは苛立ちを隠せない様子で唇を噛みしめると、私の肩を掴む力を強める。
 その姿は10年後、リナリアと情熱的に互いを求め合う光景とはどうにも合致しない。

「もっと喜んでくださると、思いましたのに……」

 ポツリと呟いた言葉は、どうやら殿下を激昂させるのに充分だったようだ。

「貴様……!」
「きゃあ!?」

 彼は私の肩を思いっきり突き飛ばすと、こちらの小さな身体を地面へ叩きつける。
 その後、その上へ覆い被さった。

 床ドンの状態で逃げ場を失った結果、至近距離で怒りに揺れる茶色の瞳と目を合わせる羽目になる。
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