【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「!」

 その瞬間、フレンが顔を上げた。

「そう、そうです、確かめに行きましょう!」

 元気に立ち上がったフレンがイヴァンの手をとって走り出す。
 やはりこの子は笑顔が一番だ。






 『エメリア』を部屋に帰した後、親指サイズのエメリアは机の上に座って、ギルフォードと向かい合った。

「……私は、エメリアとして生まれ育つ前の記憶があるのです」

 さすがにここが、前世で読んでいた小説の世界だとは言えない。
 それに、ここはすでにエメリアにとっての現実だ。

 信じてくれるかもわからないが、ギルフォードは静かにエメリアの説明を聞いてくれた。
 村人との一件の後、身体から追い出された話をすると彼は息を吐いた。

「……気づかなくてすまない。いつもの君と、どこか雰囲気が違うことはわかっていたのに」
「にしては誘惑に乗りかけていたような……、あっ、ちょ……っ」

 ギルフォードがエメリアの頬を指で突く。

「仕方がないだろう、君が無邪気に微笑むのを見ると頭がぼうっとしてしまうんだ」
「はぁ、そういうものですか」

 『エメリア』にも魅了の魔法があるのだろうか。 しかしギルフォードと話すことができて、ようやく次に進める。

「お願いがあります」

 エメリアは姿勢を正して机の上で手を組んだ。

「私と、離縁してください」
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