【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「このままでは、フレンにとってよくない事態になります。私は娘から『エメリア』を引き離したいのです」

 目を見開いたギルフォードが首を振った。

「……できるわけがないだろう」
「できるでしょう、離縁状があれば」

 エメリアはギルフォードに微笑んだ。

「あれは正真正銘、本物です。今出しても法的効力は変わりません」

 だからこそ、この切り札を『エメリア』も処分しようとしていたのだ。

 『エメリア』をフレンから引き離す。
 そして狡猾な公爵家に隙を与えないためには、策をもう一つ。

(早めに……次の皇妃の選定に動いていてよかった)

 必要なのは、家柄ではなく人格。フレンを何より大切にしてくれる人でなければならない。
 その条件でも、状況もフレンを助けられるのは一人だけだ。

「メレディス」
「はい、ここにおりますわ」

 虚空に呼び掛ければすぐにメレディスが現れた。

「勝手にいなくならないでください、心配したのですよ」

 ぷんぷん怒るメレディスを見る。

 出会ってからの期間は短いが、自信を持って言える。
 エメリアはギルフォードにメレディスを手で示した。

「新しい皇妃には、メレディスを推挙します」
「……――――何を言っているのですか!」
「お願い、あなたにしか頼めないの」
「ですが……」

 おろおろと手を頬に置いてメレディスは言った。

「陛下はわたくしのタイプではありません」
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