【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして

(えええええ!!)

 目を見開いた『エメリア』の喉が動く。
 次いで、ふらりと彼女の身体から力が抜けた。

 気を失ったエメリアの身体を、ギルフォードが危なげなく支えてベッドに横たえた。

「これでいいか」
「な、なななぜそんな方法を」

 真っ赤になって口に手を当てたエメリアに、ギルフォードがさらりと言う。

「確実に食べさせるには手っ取り早いだろう」
「そうかもしれませんが!」

 多分これが初キスだ。ギルフォードは気づいているのだろうか。

 いや、今は目を閉じる『エメリア』のほうが重要だ。
 メレディスがかけてくれた(まじな)いを素早く解く。もう見慣れた半透明の姿になれば、身体はさらに小さくなった。
 これがおそらく最後の機会。

「ありがとうございます陛下! でも後でいろいろ言いたいことがありますからね」
「ああ、楽しみにしている」

 ギルフォードがそう言って口元を持ち上げた。

 目を閉じた自分の頬に触れてみる。確かに今までと違い、弾かれることはなさそうだ。
 エメリアはそのまま、自分の中に入った。
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