【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「陛……」

 エメリアが声をかける前に、ギルフォードの顔に小さな何かがぶつかった。

「ひっ」
「おかあさま、そのぼうかんからはなれてください!」

 思わず悲鳴を上げるのと、フレンが叫ぶのが同時だった。

 腕の中でフレンが片手をギルフォードに向けて突き出している。
 そしてエメリアたちの周りにはヒュンヒュンと高速の光の玉が――妖精が、回っていた。

 どうやらこの子は皇帝陛下に妖精をぶつけたらしい。

「ふふふフレン、この方はあのね」
「てきはせんめつします」
「どうしてそんな物騒な言葉を覚えてしまったの!?」

 暴漢だの殲滅だの。
 ギルフォードは特に動じた様子もなく、己と全く同じ髪色と目の子を見た。

「俺と、エメリアの子か?」
「え、ええ……」

 さすがに隠しても仕方がないだろう。月の光のような銀は王族の者を示す髪の色だ。

 それにいつものふにゃふにゃ可愛い笑顔ではなく、きりっとギルフォードを睨むフレンは彼によく似ている。
 エメリアは覚悟を決めて口を開いた。

「フレン、あなたのお父さまよ」
「は? しりませんそんなこうてい。さんざんおかあさまをほうっておいて今さら」
「フレン!?」

 全く事情は話してないはずなのだがなぜ知っている。
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