【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「あ、いえ、僕は部屋に……」
「使節団の方には伝えています。廊下は寒いですし、風邪を引かせるわけにはいきませんから」

 ベッド脇に座って、「失礼します」と言ってエメリアは彼の黒い髪を撫でた。

「……おやすみなさい、イヴァン殿下」

 イヴァンは布団の中で身をこわばらせていたが、撫でているとすぐにとろとろとその瞼が降りてきた。

 しばらくしてそっと手を離すと、彼はすでに目を閉じて眠っていた。
 隣でフレンもぐっすりだ。

 それにしても、子ども時代の二人が並んで寝ている姿を見られるなんて、なんて贅沢なのだろう。

 小さなランプの灯りに照らされる愛らしい姿をしばらく眺めて、エメリアもフレンの隣に横になった。

 ――できれば、彼らの未来が明るい光であふれていますように。

 そう願って、エメリアは一人で笑ってしまった。

 この物語のヒロインとヒーローなのだ。二人の未来は、ハッピーエンドに決まっている。





 翌朝。
 エメリアはギルフォードに呼び出された。
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