【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「この国にいる間は、殿下を甘え倒すと決めたので」
「甘え……っ」
それだけは譲れない。
口答えした瞬間、ギルフォードの眉が吊り上がった。
「君は、今まで話を……」
しゅるん。
そこで妖精がエメリアたちの間に入った。
もう見慣れているはずなのに、光の線を描く神秘の存在に、一瞬二人とも声を失う。
(フレン? でも、見たことない子……)
温室を見回すと、端に侍従と見知らぬ老学者が立っていることに気づいた。
「……陛下、殿下、お話し中申し訳ございません……」
話し終わるのを待っていたらしい侍従がおろおろと声をかける。
「皇女殿下の講師である、妖精学の教授が来られています」
「朝早くに失礼。この年になるとどうも目が早く覚めてしまいまして……」
いつの間にかそれなりに時間が経っていたようだ。
教授は、髭を長く伸ばした小柄な人だった。先ほどエメリアたちの間に入った妖精が、教授のそばに戻る。
「お互いのことを思っているのに、喧嘩はよくないと申しています」
妖精がうんうんと頷く。
感情のままのやりとりが気恥ずかしく、エメリアとギルフォードはそっと離れた。
王立学園からきたという教授は、彼自身がまるで妖精のような佇まいである。笑うと顔全体がくしゃっとする、愛らしい人だ。
老教授を前に、ギルフォードが咳払いをした。
「こちらこそ、急な願いを引き受けてくださり感謝する」
「いやいや噂の愛し子とお会いできるのを楽しみにしていましたよ」
ほっほっ、と快活に笑う教授がエメリアを見た。
「皇妃殿下ですな、どうぞよろしくお願いいたします」
「よろしくお願いいたします。どうぞフレンを導いてやってくださいませ」
スカートの裾を持ち上げて礼をする。それを教授はじっと見ていた。
「甘え……っ」
それだけは譲れない。
口答えした瞬間、ギルフォードの眉が吊り上がった。
「君は、今まで話を……」
しゅるん。
そこで妖精がエメリアたちの間に入った。
もう見慣れているはずなのに、光の線を描く神秘の存在に、一瞬二人とも声を失う。
(フレン? でも、見たことない子……)
温室を見回すと、端に侍従と見知らぬ老学者が立っていることに気づいた。
「……陛下、殿下、お話し中申し訳ございません……」
話し終わるのを待っていたらしい侍従がおろおろと声をかける。
「皇女殿下の講師である、妖精学の教授が来られています」
「朝早くに失礼。この年になるとどうも目が早く覚めてしまいまして……」
いつの間にかそれなりに時間が経っていたようだ。
教授は、髭を長く伸ばした小柄な人だった。先ほどエメリアたちの間に入った妖精が、教授のそばに戻る。
「お互いのことを思っているのに、喧嘩はよくないと申しています」
妖精がうんうんと頷く。
感情のままのやりとりが気恥ずかしく、エメリアとギルフォードはそっと離れた。
王立学園からきたという教授は、彼自身がまるで妖精のような佇まいである。笑うと顔全体がくしゃっとする、愛らしい人だ。
老教授を前に、ギルフォードが咳払いをした。
「こちらこそ、急な願いを引き受けてくださり感謝する」
「いやいや噂の愛し子とお会いできるのを楽しみにしていましたよ」
ほっほっ、と快活に笑う教授がエメリアを見た。
「皇妃殿下ですな、どうぞよろしくお願いいたします」
「よろしくお願いいたします。どうぞフレンを導いてやってくださいませ」
スカートの裾を持ち上げて礼をする。それを教授はじっと見ていた。