【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 そしてエメリアはイヴァンを見た。

「フレンを慰めてくださってありがとうございます」
「……いえそれくらい……」
「では、うちの朝の挨拶です。はい、ぎゅー!」
「!」

 フレンを抱いたまま、イヴァンも抱え込む。
 たっぷり数秒そのままで、勢いよくエメリアは顔を上げた。

「では朝ごはんにしましょうか」




 三人で朝食を取った後はフレンは妖精学の講義、イヴァンは視察に出掛けた。

 それを見送ってエメリアが来たのは、城の厨房だ。

「殿下もフレンも妖精たちも、もちろん私もおいしくいただきました」

 料理長に昨日のお菓子パーティーのお礼を伝える。大柄な料理長は豪快に笑った。

「パジャマパーティーにお菓子は欠かせませんからなぁ! またご用命ください」

 すでに昼食の準備もほとんど終わっているらしく、厨房はのんびりした雰囲気だ。

「それで、お願いが……」

 越権行為かと思いつつ、料理長にひとつお願いをすれば彼はこころよく頷いてくれた。





 厨房の端の場所と材料を貸してもらう。
 机には卵とバターと砂糖、小麦粉などが並んだ。

「よしっ」

 腕まくりをして、エメリアはクッキーづくりに取りかかった。
 これが朝ギルフォードに言った「すること」だ。
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