【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 前世の自分が読むことができたのは、発表されているお話の途中までだ。
 だが、イヴァンとともにフレンがメレディスの野望を打ち砕くのは間違いないだろう。

 まだ生まれていないメレディスの娘は、ひとまず置いておく。

(――ということはあと、私が会っていないのは継母と、妖精王……)

 妖精王はその名の通り妖精の王様だ。
 フレンを愛し子として定め、可愛がり、ピンチのときには手助けしてくれるおじいちゃん的な存在である。

 過去未来を見通す力を持っているとされるが、フレンに甘いのか厳しいのか、運命は自分で乗り越えるべきだという視点から見たことを言わないことも多い。

(私がまずやるべきは、継母メレディスが今どこにいるのか探ること)

 生地を妖精の形の型でくり抜く。
 次いで、人の形の型を手に取った。

(そして……ギルフォードに側妃を迎えさせること)

 不測の事態があったときのために、メレディスが入る余地を少しでも減らしたい。

(あとはイヴァン殿下とフレンの仲をどうにかして、父に釘を刺して……)

 ハートの型、手のひらの型、その他いろいろと型抜きをしていく。やることが……けっこう多い。
 しかしためらわず手を動かし続けた。

 

 出来上がったクッキー生地を、にこにこしながら料理長がオーブンに入れてくれた。

「これは、おいしいクッキーがたくさんできそうですな!」

 そしてしばらくして、目の前にはどっさりと焼きたてクッキーが積み上がったのだった。
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