【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
イヴァンが必死に言葉を続ける。
「皇帝という立場で自ら先陣を切る陛下の話は、わが国でも知らない者はありません。ぜひご教授願いたいのです!」
「私に人に教える技量はありません。イヴァン殿下にも師はついているでしょう」
「……いえ、まだ早いと言われて……なにも」
(がんばれ殿下!)
きっと前から言いたかったことなのだろう。珍しく興奮しているイヴァンを、エメリアは握りこぶしをつくって応援した。
しかしギルフォードは表情を変えない。
絶対零度の視線を前に、みるみるうちにイヴァンの勢いもなくなってきた。
「……他国の者に、技を授けるのは気が進まないかもしれません、が……」
「イヴァン殿下が強くなるのは、同盟国として歓迎すべきことです。ですが、お預かりした殿下に怪我をさせることにもなりかねません」
「ご心配なく」
ギルフォードの言葉にイヴァンは自嘲の笑みを浮かべた。
「怪我で死んだ方が、喜ぶ者も多いでしょう」
「……」
隣のエメリアには、ピクリとギルフォードの手が動いたのがわかった。
彼は束の間黙って何かを考えている。
「陛下、私からもお願いします」
エメリアも援護する。
あの思慮深いイヴァンがここまで言うのを応援したい気持ちと、……何度も本国で暗殺されかけている彼のために。
ギルフォードはしばらくして、うなずいた。
「では、……少しだけなら」
「――ありがとうございます!」
そのやりとりを見ていたフレンが手を上げる。
「お、とうさま、わたしも、もっとつよくなりたいです!」
「……――」
「よし、競争だな」
「まけません!」
固まったギルフォードの前で、イヴァンとフレンが晴れやかな顔で言う。
一方のエメリアも目をぱちくりした。
(今、フレンがギルフォードを『おとうさま』と呼んだ!)
「皇帝という立場で自ら先陣を切る陛下の話は、わが国でも知らない者はありません。ぜひご教授願いたいのです!」
「私に人に教える技量はありません。イヴァン殿下にも師はついているでしょう」
「……いえ、まだ早いと言われて……なにも」
(がんばれ殿下!)
きっと前から言いたかったことなのだろう。珍しく興奮しているイヴァンを、エメリアは握りこぶしをつくって応援した。
しかしギルフォードは表情を変えない。
絶対零度の視線を前に、みるみるうちにイヴァンの勢いもなくなってきた。
「……他国の者に、技を授けるのは気が進まないかもしれません、が……」
「イヴァン殿下が強くなるのは、同盟国として歓迎すべきことです。ですが、お預かりした殿下に怪我をさせることにもなりかねません」
「ご心配なく」
ギルフォードの言葉にイヴァンは自嘲の笑みを浮かべた。
「怪我で死んだ方が、喜ぶ者も多いでしょう」
「……」
隣のエメリアには、ピクリとギルフォードの手が動いたのがわかった。
彼は束の間黙って何かを考えている。
「陛下、私からもお願いします」
エメリアも援護する。
あの思慮深いイヴァンがここまで言うのを応援したい気持ちと、……何度も本国で暗殺されかけている彼のために。
ギルフォードはしばらくして、うなずいた。
「では、……少しだけなら」
「――ありがとうございます!」
そのやりとりを見ていたフレンが手を上げる。
「お、とうさま、わたしも、もっとつよくなりたいです!」
「……――」
「よし、競争だな」
「まけません!」
固まったギルフォードの前で、イヴァンとフレンが晴れやかな顔で言う。
一方のエメリアも目をぱちくりした。
(今、フレンがギルフォードを『おとうさま』と呼んだ!)