【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「わきが甘い!」
「はい!」

 中庭でギルフォードとイヴァンが木剣で打ち合っている。

 素人のエメリアの目から見ても、数日でイヴァンはめきめきと腕を上げているのがわかった。
 もともとセンスがいいのか、ギルフォードの教え方がうまいのかその両方か。

(原作でも、フレンのピンチに颯爽と現れるし)

 それを思い出してエメリアがうっとりと頬に手を当てると、背後で火柱があがった。

「ようせいさん、おねがいします!」

 ギルフォードとの基礎体力訓練を終えたフレンが叫ぶ。

 それに呼応して妖精たちが炎に向かって水の弾を一斉に打ち出した。
 いくつかは中庭の木に当たって……火が消えると同時にめりめりと音を立てて木が倒れた。

「ほっほっ、その調子です皇女様」

 その様子をにこにこ笑って見ていた妖精学の教授が髭を撫でながら褒める。

「ありがとうございます!」

 フレンが言うと、それを見ていたイヴァンが、近くにある木に剣を叩きこんだ。

「――えい!」

 一刀で木が真っ二つになって倒れる。ギルフォードがうなずいた。

「その調子だ。気が練れるようになってきたな」
「ありがとうございます! 師匠!」

 今度はそれを見ていたフレンが手を握りしめる。

「……まけられない……!」

 お互いがお互いに対抗心を燃やしているようだ。
 いい傾向ではある。ある意味仲良しと言えなくもない。
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