【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして

 部屋でフレンたちからその日のことを聞いたり、本を読んだり温かいお茶を飲んだりしているとギルフォードが姿を現す。
 仕事で遅くなりそうなときは侍従から連絡を受けた。

 寝室には四人でも寝られるベッドが置かれて、エメリア、フレン、イヴァン、ギルフォードの順で横になった。

「狭くありません?」

 それにしても皇帝陛下を端にしていいのだろうか。

 とはいえ先日の抱きしめられて寝た件もあるので、エメリアとしても離れているほうがありがたい。……ギルフォードは気にしていないようだが。

 しかしそうなると、むしろ気を遣うのはイヴァンだ。

「あの、やっぱり僕は部屋に……家族の団欒を邪魔するわけにもいきませんし……」
「構わない、気にするな」
「気にしないほうが無理な気がします……!」
「師匠命令だ」
「ぐっ」

 ベッドの端で何か二人がひそひそ話しているのを、寝ているフレンを抱きしめながらエメリアが見る。

(そりゃあ隣国の皇帝の隣に寝るのは気が引けるわよね)

 確かにイヴァンが自室で寝るのであれば、ギルフォードも寝室に来ないだろう。しかしイヴァンをそんな理由で帰すことは流儀に反する。

 ということで、これが妥協点だ。自分にそう言い聞かせる。

「もう火を消しますよ」

 枕元のランプに手を伸ばした。
 ふっと明かりが消えれば部屋の中はほとんど真っ暗だ。

「……おやすみなさいませ」

 ごそごそと布団の中に潜り込む音の後に、小さなイヴァンの声が響く。

「おやすみなさい」
「……おやすみ」
「すう……」

 そんな当たり前の挨拶をして、エメリアは目を閉じた。
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