【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 ギルフォードとともに温室に行き、授業を終えたばかりのフレンに埃の妖精のことを聞いてみた。(もちろんエヴァン公爵の件は隠した)

「しらない子です」

 フレンは首を振る。
 周りを飛ぶ妖精に、フレンが問いかけるように視線を向けると、彼らは少し戸惑った顔になった。

「……それは、悪い妖精の一種ですね」

 口を開いたのは、妖精学の教授だ。

「悪い、妖精」
「きょうちょうど習いました!」

 フレンが持っている本を開いて見せてくれる。
 そこには、深くおどろおどろしい森とともに異形の妖精たちの姿が描かれていた。

 一般常識として、この世界には人に良いことをもたらす善い妖精と、害をもたらす悪い妖精がいるとされている。

 フレンを愛し子としているのは善い妖精だ。そしてこれから登場する継母メレディスは悪い妖精。

 悪い妖精は例えば心を操ったり、病を引き起こしたりする恐ろしい存在だ。
 だが。

「その妖精に助けてもらったのです。それに敵意は微塵も感じませんでした」

 むしろもっともふもふしたかった。
 同意を求めるようにギルフォードに視線を向けると、彼も頷く。

「……ああ。それに、王宮には悪い妖精や妖魔が入って来られないように(まじな)いが張られているはずだ」
「妖精の中でも高位のものは、呪いの穴を破ってきますからなぁ」

 教授が髭を撫でながら眉をひそめた。
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