【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 悪い妖精と聞いて一瞬メレディスを思い浮かべたが、あの可愛い埃妖精はどうしても悪い子に思えない。
 そう考えていると、フレンがエメリアの足にしがみついた。探るような目でこちらを見る。
 
「……おかあさま、ようせいさんに助けられるようなじょうきょうだったのですか?」

 しまった、うっかり口が滑った。

「た、大したことじゃないのよ。滑って転んでしまいそうなところを助けてもらったの」

 取り繕うようにフレンを抱き上げる。
 彼女はぎゅっと抱きしめ返した。

「おかあさまを助けてくれたのなら、わるくてもいいようせいさんです」
「ふふ、そうね」

 そんなエメリアたちを教授がじっと眺めていた。心の底まで見透かされそうな目がキラキラ光っている。
 しばらくして満足そうに教授は笑った。

「ふぉっふぉ、さすが皇妃様。これは未来が楽しみですなぁ」

 そう言葉を残して、教授は帰っていった。

 浮世離れしている人だと思っていたが、やはりつかみどころがない。

(ああいう登場人物がいた気がするけど……)

 小説本編とすでに内容が違っているせいか、これとはっきり断言できない。
 教授の小さな背を見送って、ギルフォードは言った。

「呪いを強化するように通達はしておく。それより二人に話しておきたいことがあってな」

 彼はそんな前置きで、爆弾を投下した。

「イヴァン殿下が、わが国に長期留学したいと申し出ている」
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