【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 咳払いをしたギルフォードは首を振った。

「なんでもない。向こうには了承の返事をする」

 これはまた不測の事態だ。
 一体物語はどうなるのか。

「……頭が痛い……」

 とはいえエメリアとしては断る理由はない。
 フレンと共に甘やかすと決めたし……フレンも、頬を膨らませているが拒否はしないようだ。

(うん、まぁ、幼馴染設定もいいよね!)

 そう自分を無理やり納得させた。

 そこでふわりと身体が浮いた。

「え」

 フレンを抱いたエメリアを、まるごとギルフォードが抱き上げたのだ。

「風邪か、先日も寒そうにしていたし」
「あっ、違います! さっきのは慣用句というか」
「おいしゃさまはどこですか!」
「フレン、気にしなくていいのよ。陛下、降ろしてください!」

 医者を探して妖精を王宮中に飛び回らせるフレンと、フレンとエメリアを抱き上げて廊下を駆けるギルフォードの姿はしばらく宮廷の話題にのぼることとなった。
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