【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
視察中は時間の許す限り、このような場に参加しようとエメリアは考えていた。
これから先の環境を整えるために。
フレンが妖精の愛し子という話は、今や国内どころか他国にまで広まっている。その過程ですでに結婚の申し込みが殺到していた。
ギルフォードは王位継承者としてフレンのことを扱ってくれているし、フレンもおそらく政治に向いている。
エメリアがお茶会に参加している間は、彼らだけの視察もこなしていた。
ということでもう少し、嫌な要素を減らしたい。
具体的に言うと、継母メレディスの付け入る隙を減らしたい。
そこで考えたのが、側妃制度である。
もしこれから先、エメリアに何かあった時には自動的に側妃が皇妃となるよう、取り決めておくつもりだ。
(メレディスの能力に魅了があるから、どこまで効果があるかはわからないけれど。……というかその対策も考えないとね)
フレンの母としてやることはたくさんある。
実のところ、出発前に密かに侍従長に相談して、王都での側妃候補は集めていた。
有力貴族たちの人となりは知っている。伊達にあの父の元で公爵令嬢をしていたわけでもない。
血のつながらない娘を大事にしてくれる人に、側妃になってもらいたい。
あとは、折を見てギルフォードに話をしようと思っていた。
(ひとまずそこまでできれば……)
そう思って顔を上げる。
初夏の日差しは気持ちがいい。
それに目を細めていると、令嬢たちの間で賑やかな声が上がった。好奇心に任せて話しかけてみる。
「何のお話?」
「あっ、皇妃様!」
「あの、この子が当たると噂の占い師に見ていただいたらしくて」
若い令嬢が、隣の子を示す。
彼女は愛らしく頬を染めて言った。
「運命の人が現れると言われた日に、ハンカチを拾ってくださった男性と……恋仲になったのです」
「まぁ」
思わず手を組んでしまう。
「素敵なお話ね」
「はい、占い師のメレディスさんのおかげです」
「――」
はにかむ令嬢の笑顔を前に、一瞬反応が遅れた。
これから先の環境を整えるために。
フレンが妖精の愛し子という話は、今や国内どころか他国にまで広まっている。その過程ですでに結婚の申し込みが殺到していた。
ギルフォードは王位継承者としてフレンのことを扱ってくれているし、フレンもおそらく政治に向いている。
エメリアがお茶会に参加している間は、彼らだけの視察もこなしていた。
ということでもう少し、嫌な要素を減らしたい。
具体的に言うと、継母メレディスの付け入る隙を減らしたい。
そこで考えたのが、側妃制度である。
もしこれから先、エメリアに何かあった時には自動的に側妃が皇妃となるよう、取り決めておくつもりだ。
(メレディスの能力に魅了があるから、どこまで効果があるかはわからないけれど。……というかその対策も考えないとね)
フレンの母としてやることはたくさんある。
実のところ、出発前に密かに侍従長に相談して、王都での側妃候補は集めていた。
有力貴族たちの人となりは知っている。伊達にあの父の元で公爵令嬢をしていたわけでもない。
血のつながらない娘を大事にしてくれる人に、側妃になってもらいたい。
あとは、折を見てギルフォードに話をしようと思っていた。
(ひとまずそこまでできれば……)
そう思って顔を上げる。
初夏の日差しは気持ちがいい。
それに目を細めていると、令嬢たちの間で賑やかな声が上がった。好奇心に任せて話しかけてみる。
「何のお話?」
「あっ、皇妃様!」
「あの、この子が当たると噂の占い師に見ていただいたらしくて」
若い令嬢が、隣の子を示す。
彼女は愛らしく頬を染めて言った。
「運命の人が現れると言われた日に、ハンカチを拾ってくださった男性と……恋仲になったのです」
「まぁ」
思わず手を組んでしまう。
「素敵なお話ね」
「はい、占い師のメレディスさんのおかげです」
「――」
はにかむ令嬢の笑顔を前に、一瞬反応が遅れた。