【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「見ない顔だが」

 メレディスはスカートの裾を持って完璧な淑女の礼をした。

「メレディスと申します。本日から、エメリア様とフレン様のお世話をさせていただきます」
「ちょっとした縁がありまして……この子の主人らしいのですが、彼女を雇ってもよろしいでしょうか」

 エメリアは自分の肩に乗っていた埃妖精を手に乗せて、ギルフォードに差し出した。

 つぶらな目を開いた妖精がじっと彼を見上げる。ギルフォードも妖精を見下ろして――しばらく静かな時間が過ぎた。

「……好きにしなさい」
「ありがとうございます」

 そのギルフォードの様子をエメリアは観察していた。
 端的で不機嫌そうな、いつものギルフォードだ。メレディスが魅了をかけたようすはない。約束を守ってくれていると判断する。

 廊下に降りたフレンは、メレディスの手を引いた。

「メレディスさん、フレンがげいひんかんをあんないします!」
「あら嬉しいです」

 そんな話をしながら廊下を駆けていく二人を、エメリアはギルフォードとともに見送った。
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