【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「……フレンは、これから先幸せになりますか」
「? フレンは幸せですよ」

 先にフレンが答えた。

 妖精王はきらきらした目でエメリアをじっと見て、次いでフレンと、メレディスを見た。

「もちろん」

 妖精王は小さな手で自分の髭を撫でる。

「常にそうであるとは限らないが、それは己次第で変えられるだろう」

 その返事に安堵する。
 今のフレンが幸せで、未来のフレンも幸せならなにも心配することはない。

「ではわしはこれで」
「ありがとうございました、これよかったら」

 フレンに少し待ってもらって焼いたクッキーだ。ラッピングされてそれは妖精王より大きいが、彼は受け取ってくれた。

「ありがとう、実のところずっと食べてみたいと思っていたのだよ」

(ずっと……?)

 やはりどこかで会った気がする。
 妖精王はくるりと空中で回って、見えなくなった。
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